素敵な華麗臭

私は加齢臭を消すシャンプーを使った人や、使っている人を知りません。ただ、加齢臭と聞いて思い浮かぶのは父の姿です。父も、多くの中年男性がそうであるように、加齢臭がしました。加齢臭というのは、たばこのにおいだと思います。父の加齢臭は、たばこのにおいがしましたから。ただ、このにおいが、おじさんの味、いとしさだと思うのです。

加齢臭がなかったら、おじさんは無臭なのでしょうか、とふと考えてしまいます。父からする加齢臭は、ほとんどがたばこの匂いです。しかし、その中には日ごろの頑張り、今まで積み重ねてきたものが入っていると思うのです。仕事を頑張った汗とか、そういったものです。だから、私は父から加齢臭がすると、少しいとしさというか、安らぎのようなものを感じます。これからも、父には素敵な華麗臭であって欲しいです。

加齢臭を消したいのは、どうしてなのでしょう。女性が良いにおいのするシャンプーをするのは、すてきな男の子を振り向かせ、仲間の女の子にうらやましがられるためだと思います。加齢臭がするんは、多くの場合おじさんです。そのおじさんが、自分の加齢臭を気にする機会があったのでしょうか。例えば、娘から加齢臭のことを言われたとか、職場の女子に小言を言われたとか、自分と同年代の男性と比べてしまったのか。

こういったことが原因で、加齢臭シャンプーが誕生したのかな、と思います。女性は香りをつけることがメインなのに、男性は香りを消すことが目的なんですね。女性は盛る、飾る。男性はシンプルに、自然に。算数で言う、プラスとマイナスのようだと思います。